これまで隠してきたわけではないが、僕は
スケベである。以前付き合っていた女性から「あなたって意外とムッツリだったのね☆」と言われたことがあるが、僕は
ムッツリではない。
スケベだ。
で、今日はそんな僕のスケベ魂をくすぐってくれたアルバムを紹介したい。と言っても、巷にあふれているようなお色気商品を紹介する気は無い。僕は自分の心の琴線に触れた素晴らしい音楽だけを紹介していきたいと思っている。これまで紹介してきた音楽とはまたまたジャンルがやや離れるような気もするが、
ソウル界の巨星マーヴィン・ゲイの「
I Want You」である。
I Want You
←試聴も可能!
ギターなどのソロがセクシーだとか、ボーカルのスタイル・仕草がセクシーだとか、歌詞が官能的だという曲はわりと多いと思う。
セクシーさというのは音楽にとってとても重要な要素であろう。しかし、今日ご紹介するアルバムは少し違う。ボーカルや演奏のやわらかなセクシーさに加えて、演奏の背後に「
☆・・☆ー・・・☆☆ー・・」という
女性のため声(など)が入っているのだ。しかし、これがまたまったく「いやらしさ」を感じさせない。
愛の神秘に脳が花咲くような気分になれるのである。(これを聞くと多分、女性もそういう気分になるのではないかと思う・・・)
このアルバムは全体の色がよく統一されていて、気持ちの良い名曲が並ぶ。セクシーな音響の入った曲(どれとは言わないが、3曲もある)の興奮は是非、体験してみていただきたいと思う。さらに特筆すべきなのは、1976年の作品であるにもかかわらず、サウンドにまったく古臭さを感じないことだ。実に気持ちの良い柔らかな感触を楽しめる。インスト曲「
After The Dance」のシンセサイザーもとても新鮮な雰囲気の中で歌う。
マーヴィン・ゲイは、コンサートの直前に恐くなって逃げようとしたことがたびたびあったなど、とても繊細でもろい性格を持っていたことが知られている。そしてこの作品でも彼のボーカルはとても
繊細である。しかし、彼の歌は決して
不安定感を感じさせない。サウンド・アレンジともあいまって、ただただ柔らかく、暖かい印象を受ける。内面の繊細さを完全に昇華したボーカル・ワークと言おうか、この辺はたとえば
トム・ヨークなどとは少し異なる部分なのかもしれない(どちらも素晴らしいが)。