2006年03月07日

フリー・ライブ!!

ちょっと恥ずかしい記事がトップのまま、更新が止まってました・・・。さて今日は、男性ボーカル・オリンピックでもご紹介したポール・ロジャースの在籍していたバンド、フリーのライヴ盤『フリー・ライヴ!』のご紹介。

ライブ盤というと、スタジオ録音の演奏よりも「速く」て、「勢い」があって、のりのりであることが多いと思う。しかし、フリーのこのライブ盤は、他のバンドのライブ盤とはかなり趣きが異なる。フリーの演奏は、「勢い」で聴き手の体を外から動かすのではなくて、「ひねりのある間」によって聴き手の体を内側から揺さぶるのだ。絶妙の「間」が生み出すうねり、これがこのライブ盤の魅力である。
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たとえばギターの速弾きのような「演奏技術」の点では、フリーはわりあい不器用なバンドと言ってもいいのかもしれない。しかし、やや不器用そうにも聞こえる彼らの演奏も、独特のうねりによってむちゃくちゃかっこよく聞こえるのだ。ローリング・ストーンズもこのライブ盤の持つ魅力をなんとか学びとろうとしていたという話もある。

このライブ盤に収録されている曲はほとんどがフリーの代表曲。彼らのベスト盤的な性格も持っている作品だ。「All Right Now」は、ぎくしゃくとしたドラムとギターのリズム・パターンがかっこいい。こういうぎくしゃくとしたギター・リフはストーンズキースの演奏に近いものを感じるが、フリーの演奏はもっとテンポがスローで強いねばっこさを感じる。間奏でアンディ・フレイザーのキャッチーなベースの上に、一音一音に力のこもったポール・コソフのスローなギター・ソロが乗るあたりも気持ちいい。「I'm a Mover」も間を生かした演奏がいい雰囲気をかもし出している。「Be My Friend」はポール・ロジャースの渋みの利いたボーカルが熱く、美しいバラード。「Fire and Water」はフリー独特のねばっこい演奏がともかくかっこいい。強烈にビブラート・スパイスの効いたポール・コソフのギター・ソロにもぞくぞくする。「Mr. Big」はハードロック・バンド Mr. Big のバンド名の由来となった曲で、ブルージーな渋みの濃ゆ〜い一曲。後奏でギター・ソロから全体が徐々に盛り上がり、最後にポール・ロジャースがボーカルをひとこぶし回して終わるあたりもかっこいい。渋くてセクシーな「The Hunter」は、アルバート・キングのブルース・ナンバーのカバーだが、これもフリーの代表曲と言ってもいいほど彼らのサウンドにはまっている。

最後の「Get Where I Belong」はライブ音源ではなく、スタジオ録音の落ち着いた綺麗な曲。盛り上がったライブのエンディング・テーマとして、映画のプレイ・アウトのように流れる。この曲が入っていることでライブ盤としての統一性を欠いていることには否定的な意見も多いようだ。しかし、この作品の発売がフリー解散の直後であったことを思えば、楽しかった時間の後のせつなさをかきたてる絶妙なナンバーだとも言えるのではないだろうか。彼らの素晴らしい演奏を生で聞くことがもうできないのは残念だ。
posted by muse at 12:14| Comment(10) | TrackBack(8) | Free フリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする