で、『ブリーチ』。『ブリーチ』はニルヴァーナのデビュー・アルバムである。ニルヴァーナ流の絶妙のポップ・センスもすでに見え始めてはいるが、むしろ衝動的な激しさがむきだしとなっている印象が強い。ニルヴァーナの作品の中で最もハードだと言えるかもしれない。そして、しばしば影を帯び、ときに感情むき出しになるカート・コバーンのボーカルがともかくすごい。比較的みじかい曲が全部で13曲。「フロイド・ザ・バーバー」は、稚拙ながらキャッチーなリフとニルヴァーナ的な展開に病みつきになる曲。狂おしくハードな「スクール」の次は、彼らのデビュー・シングル「ラヴ・バズ」だ。この曲はニルヴァーナのオリジナルではないが、ちょっとエキゾチックな味わいがおもしろい。後半でギターが荒れ狂うところもすごい。「ペイパー・カッツ」は不穏なギター・サウンドの上に、カートがさまざまな色のボーカルを落としていく。いま聞いてもかなり前衛的な、刺激的な曲だ。「ネガティブ・クリープ」は、ニルヴァーナの作品の中でも最も激しくもだえ叫ぶ曲だろう。続く「スコフ」「スワップ・ミート」「ミスター・マスターシュ」と、昇華しきらないフラストレーションを生でぶつけてくるタイプのハードな曲が並ぶ。まさにニルヴァーナの初期衝動そのものという感じだ。
Bleach




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