2007年04月24日

ポリス インサイド・アウト!

ポリスの奇才ドラマー、スチュアート・コープランドが8ミリカメラで撮りためていた映像を編集した映画『ポリス インサイド・アウト』、見てきました。観客に女性が多くてビックリしましたが、スティングのファンでしょうか?



70年代後半のポリス(The Police)の短い活動期間を裏側からとらえた貴重な映像の数々・・・。なかなかおもしろかったです。とくに、デビューから全米ツアーを経て一気にスターに登りつめた、初期ポリスの勢いに興奮しました。

当時のファンの熱狂ぶりがまたすごい・・・。ライブのあと、車に乗り込もうとするバンド・メンバーのもとに悲鳴をあげて押し寄せる女性ファンたち・・・。発車する車の窓をファンが叩く音・・・。喜ばしい状況なのかもしれないけれど、やっぱり恐ろしい光景ですね。カメラをまわすスチュワートのもとに、眼をとろんとさせた女性が誘惑しに来る映像も衝撃的でした。

メンバーの素顔を見ることができるのもこの作品の魅力の一つでしょう。意外と粗暴でスケベなスティングも興味深いですが、やはりギタリスト、アンディ・サマーズがおもしろい・・。やっぱりかなり変ですね、この人。リハーサルのサウンド・チェックの時におかしなことをやったり、鏡に向かってうっとりしたり・・・。かなり笑えます。

ただ、この映画、編集が少し荒くって、話の展開はややぎこちない感じがしました。あと、プロの映像ではないので手ぶれが多いです。まぁ、そういった面での完成度を期待すべき作品ではありませんが、これから見る予定の方は、映画館の前の方で見るのは避けた方がいいでしょう。気分が悪くなるかもしれませんので。

ポリス インサイド・アウト 劇場情報!

早速DVDの予約受付もやってます。

ポリス インサイド・アウト【JAPAN EDITION】

ポリスの再結成コンサート・ツアーのアメリカ公演に行こうというツアーもあります。

ポリスを見に行こう!@ロサンゼルス・ニューヨーク
フー・ファイターズが特別出演!)

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2007年04月18日

科学は役に立つべきものか?

先日ご紹介した「ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー」の中で、スティングは「科学や進歩や宗教をもはや信じない」というようなことを歌っている。そういったものへの信念を失っても「君に対する心は失わないよ」というラヴ・ソングになっているのだ。

科学や進歩をもはや信じないという(一見屈折した)発想は、この曲の前ふりにすぎないのではあるけれど、これはスティング自身のある種の悟りといっていいのだろう。スティングは、ブラジルの熱帯雨林保護のキャンペーンなどもやっているけれど、この歌詞と彼の行動にはつながりがある気がする。

スティングに言われるまでもなく、科学や進歩を無条件に信奉するのはもはや時代遅れだと言っていいだろう。技術や科学の発展によって人間の生活は便利になったけれど、その発展の裏側では資源の浪費や公害、地球規模の環境破壊などが起こってきた。生活が発展すれば浪費される物の量も増えるし、生活が豊かになって人口が増えれば地球に大きな負担がかかる(だから、先進国でおこりつつある人口減少は喜ばしい)。「科学」や「進歩」は大きなジレンマをかかえてしまったことになる。

科学・技術の発展が我々に新鮮な驚きと喜びをもたらしてくれたことは確かだ。しかし、もう今以上に便利になったり、今以上にスピード・アップする必要はないような気もする。そう考えると、生活を発展させるための科学・技術の存在意義は低くなってしまったようにも思える。

にも関わらず、最近の日本では、生活の「役に立つ」科学を求める風潮が強いようだ。国公立大学の法人化なども実施され、学問全体が生活に応用できるような技術や「儲かる」学問に偏ってしまう恐れがあると言われている。むしろ、そろそろこういう「科学→発展」という発想はやめるべきじゃないかと僕は思う。

科学というのは本来、芸術と同じで創造的な活動だ。ここでいう「創造的」というのは、なにかの役にたつものを作るという意味ではない。なにか新しい発想が生み出される喜びに支えられているという意味で、科学も芸術も創造的な活動なのだ。コペルニクス、ガリレオ、ダーウィン、ウェゲナーといった科学者による偉業はみな「壮大な発想の転換」や「誰も思いつかなかった発想の獲得」によるものだ。彼らの研究が間接的に今の我々の生活に役立っている部分はあるかもしれないが、彼らは決して「役立つことをしよう」なんて動機で研究をしていない。未知のものがわかってくるわくわく感、知的好奇心を満足させてくれる面白さ。彼らの偉業は、そういったものを追い求めていった結果だったはずだ。

科学に「便利さ」などを求めすぎるのはやめた方がいいと思う。役には立たないけれど純粋におもしろい科学が出てくれば、それはそれで喜ばしいことなのだと思う。少なくとも、面白くなりそうな学問が「役に立たない」という理由で消されてしまうようなことは起こってはいけないだろう。人類が今以上に「繁栄」することよりも、「おもしろさ」の方が重要だという気がするのだ。それはきっと、人類の心の豊かさにもつながりうるのだから。

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2007年04月07日

ひこにゃんの癒し→スティング

今年は、彦根城築城400周年なのだそうで、彦根城400年祭というのをやっているようだ。で、このイベントのマスコット「ひこにゃん」が人気らしい。というか、彦根城には興味のない人にも、ひこにゃんだけが広まっているのだとか・・。たしかに、ゆるくてかわいい(ひこにゃんのぬいぐるみやキグルミの方はあまりかわいくないけど・・)。



で、お城(お城→玉座)ということで強引に思い出したのがスティングの「ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー」のビデオ。スティングは何もしなくてもかっこいいけれど、このミュージック・ビデオはまた、かっこすばらしい。中世を舞台にした映画のような映像が美しい。スケールの大きな楽曲ともあいまって、すっぽりビデオの世界に没入してしまう。

YouTube Sting「If I Ever Lose My Faith In You」ビデオ視聴!

←同曲収録作『テン・サマナーズ・テイル』
←格安ベスト盤(輸入盤)1280円!

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2007年04月01日

ポリス来日〜カナリアの悲劇

前回の記事から鳥つながりということで思い出したのですが、こないだペット・ショップでカナリアの鳴き声というのを初めてじっくり聞きました。僕は鳥を飼ったことが無いし、鳥の鳴き声はあまりわからない方ですが、カナリアの多彩な歌声はけっこうすごいもんですね。店には雄のカナリアと雌のカナリアがいましたが、雄の方が頻繁に大きな鳴き声を出していて、値段もずっと高くなってました。

というわけで、カナリアの曲を一曲ご紹介。とうとうポリスの来日公演(2008年2月)が発表されたようですが、そのポリスの「カナリアの悲劇」です。

この曲の原題「Canary in a Coalmine」は、「炭鉱のカナリア」というちょっと残酷な話がもとになっています。むかし、炭鉱で働く人たちが、坑内の危険なガスや酸素不足などを検地するために、環境の変化に敏感なカナリアを連れて行って反応を確認したという話です。ポリスのこの曲も、ナイーブで感じやすい人の悲しい現実を歌ったものですが、歌詞の中身とは対照的に明るい曲調です。映像は昔のワールド・ツアーのオフ・ショットです。

The Police「Canary In A Coalmine」視聴!

←「カナリアの悲劇」収録作『ゼニヤッタ・モンダッタ』

最近、アメリカではclimate canary「気候のカナリア」という言葉も使われるようですね。地球温暖化などの気候変動に敏感で数が減ってしまうような動物や、気候変動の影響をもろに受ける人々のことを指す言葉のようです。

最近のポリス関連記事→ポリス「ロクサーヌ」@2007年

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2007年02月28日

ポリス再結成@グラミー賞再見

今年のグラミー賞授賞式でのポリスの演奏、YouTubeにて一人で楽しんでいたんですが、今頃ですがアップしちゃいます。

YouTube The Police @ Grammy 2007「ロクサーヌ」
(追記:最初に載せていた高音質・高画質のビデオは削除されました・・)

切れ味するどい初期ポリスの楽曲の中でもとくにシャープでかっこいい「ロクサーヌ」ですが、これまたほんとにシャープでかっこいい演奏です。オリジナルには無い渋〜い間奏をはさんで、「Driven to Tears(世界は悲しすぎる)」っぽいフレーズが飛び出すあたりにもゾクゾク!!スティングのヴォーカルには張りがありますし、ギターはアンディ・サマーズの音だし(当然ですが・・)、スチュワート・コープランドの星の飛び散るハイハット・ワークも健在で本当に嬉しくなります。

ポリスは再結成ワールド・ツアーも決定し、日程も発表されていますね。5−8月にアメリカを中心にまわり、来日公演もありそうだという情報もあります!楽しみです!!


さらに、ドラムのスチュワート・コープランドが撮りためていたというポリスのドキュメンタリー映像が映画として公開されます。『ポリス インサイド・アウト』です。公開は3月末からですが、こちらも見てみたいですねぇ。

試写会などの情報もぞくぞくと更新されています→試写会など
今のところ最新の公開劇場情報はこちら→『ポリス インサイド・アウト』公開劇場




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2007年01月20日

ポリス再結成の噂に

すでに多くのブログで話題になっているがポリスが再結成するかもしれないらしい。

ポリス再結成計画?

今年2007年はポリスのデビューから30周年にあたるので、何かやろうということで動き始めているようだ。ギターのアンディ・サマーズ、ドラムのスチュワート・コープランドは再結成に乗り気で、スティングもまんざらではない様子。ポリス来日なんてこともありうるかもしれない。仮に再結成しても、今年限りのお祭り的な再結成になる可能性が高い気はするが・・。

ポリス来日というと、京大西部講堂での伝説のポリス来日公演のことを思い出す(思い出すって言っても、当時僕は赤ん坊だったけど)。フランク・ザッパやトーキング・へッズと並んで、ポリスの演奏が「伝説の地」としての京大西部講堂のイメージを大きく膨れ上がらせたことは間違いない。京大西部講堂は今でも、ボロフェスタみやこ音楽祭など数々のライブ・イベントに使われていて、新たな伝説を作り続けている。

YouTube ポリス「孤独のメッセージ(Message in a bottle)」ライブ映像!

これは2003年のポリスのライブ映像!!(@ロックの殿堂入りの式典)スティングが55歳、スチュワートが54歳、アンディが64歳・・。さすがにアンディ・サマーズは見た目がかなり老けてしまったが、三人の演奏はまだまだいける。スティングは現役でやってきているのでまだ驚きは少ないが、スチュワートが元気なことに嬉しくなる。誰にも真似できない変態的なドラム・パターンが随所で炸裂している。

YouTube ポリス「Walking on the moon」ライブ!

宇宙的浮遊感で恋の喜びを表現した名曲。シンクロニシティ・コンサートの映像だ。ここでもスチュワートの変態的ドラムが炸裂しまくりだ。スティングの衣装とエレキ・ウッドベースがややミスマッチな気がするが・・。あと、なんだか安そうなデジタル時計をスティングがしてるのもちょっと気になる(笑)。当時はこういうのが高かったのかもしれないが。曲の最後の部分でスティングがテレビ・カメラを持って歌うのだが、その間ちゃんとスタッフがベースを弾いているのもおもしろい(しかもうまい)。

YouTube「Bring on the night」ライブ映像!

のちのスティングにもつながるような孤高の雰囲気ただよう美しいAメロに酔い、レゲエ調のサビに踊れる、気持ちのいい曲。スチュワート・コープランドのハイハット・ワークがまた素晴らしい。日本公演の映像だというがいつのものかは不明。画面には日本語の歌詞翻訳も表示される。

The Police「It's alright for you」PV視聴!

冒頭に「Bring on the night」のエンディングについて相談している楽屋でのシーンやメンバー同士で口論+喧嘩してるシーンなどがある。ロハスなスティングもこの頃は荒くれ男だったのがよくわかる(笑)。その後、「It's alright for you」のプロモーション・ビデオ。スカッとするほどストレートでハイ・テンションなロック・ソング。アンディ・サマーズのスライド・ギターのソロもかっこいい。

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これらの曲は全てセカンド・アルバム『白いレガッタ(Regatta De Blanc)』からの曲

2006年11月25日

ブランフォード・マルサリス@ラヴェル+スティング

以前、最も美しい曲として、モーリス・ラヴェルのソナチネの第2楽章(メヌエット)をご紹介したのだが、今日はクラシックの作曲家としては僕が一番好きなラヴェル(Maurice Ravel)の曲の映像をYouTubeで探してみたのであった。

・・・が、ソナチネのメヌエットは結局見つからなかった。そのかわり、とてもおもしろいものをみつけた。

YouTube ブランフォード・マルサリス@「亡き王女のためのパヴァーヌ」(削除されちゃいました・・・)

なんと、ブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)とオーケストラによる「亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante defunte)」だ。ブランフォード・マルサリスといえば、スティング・バンドでサックスを吹いていたジャズ・ミュージシャン。スティングの『ブリング・オン・ザ・ナイト』での演奏については、以前書いたことがある。ラヴェルのこの曲はピアノ・バージョンもとても美しくて好きな曲なのだが、このバージョンも素晴らしい・・・。

スティング&ブランフォード・マルサリス「リトル・ウィング」ライヴ映像!

こちらはジミ・ヘンドリクスの名曲「リトル・ウィング(Little Wing)」のカヴァー。ブランフォード・マルサリスのサックスはやはり素晴らしい。あまり他人から触られたことの無い体の部位ってとても敏感なものだが、彼のサックスはちょうどそういう部位だけを素早く次々に押さえていくマッサージのようだ。音の並びが新鮮で気持ちいいのである。バンドの後半の盛り上がりもすごい。スティングもめちゃくちゃかっこいいのだが、間奏で椅子に座っちゃうところが映ってるのがちょっと笑える・・・。

←ブランフォード・マルサリス@クラシック
←スティング「リトルウィング」『ナッシング・ライク・ザ・サン』
←ジミヘン「リトル・ウィング」(ベスト盤・輸入盤)
Jimi Hendrix『Little Wing』←ジミヘン「リトル・ウィング」の試聴+ダウンロード購入

2006年04月04日

愛は争いを防げるか?

スティングの「ラシアンズ」は、ソヴィエトと欧米との東西冷戦を歌った作品だ。東西冷戦といっても、そんな時代があったことをもうすっかり忘れかけている人や、はじめから知らないという人もいるかもしれない。でも、似たような状況はいまだに世界中にあるし、新たな火種もいくつかできつつあるように見える。冷戦は終わっても、冷たい世界に終わりは見えていない。

スティングの「ラシアンズ」。この曲はプロコフィエフのテーマをもとにした重々しい雰囲気の反戦歌で、曲としては大好きだ。しかし、スティングの歌詞には納得できない部分もある。もちろん、彼が東西の冷戦状態を真剣に扱っていることには共感する。ただ、「ロシア人も子どもたちを愛しているだろう(russians love their children, too)」ということに希望を見出そうとしている点が少しひっかかるのだ。

要するにこの歌は、ヒューマニズムがあれば争いは回避できるという発想・願いのようだ。しかし、これはあまりにも楽観的な気がする。逆に「子どもたちへの愛」こそが争いを産むこともあるだろう。「愛」というのは両面的なものだ。身内を愛すればするほど、身内を脅かすものを攻撃したい衝動に駆られる・・・。

それからもう一つ。この曲のスティングは、やや西寄りに見方が偏っているようにも思う。この曲は「ソ連という国が脅威になりつつある」という受身的な雰囲気が強い。しかし、国家間が険悪になる場合というのは、お互いがお互いにとって「脅威」になることが多いのではないかという気がする。そしてお互いに「脅威だ」という思いが高まっていって、どんどん冷静さを失っていく・・・。

これと似たようなことは、今この国でも起きつつある気がする。「あちら」でも「こちら」でも、お互いに対するヒステリックな反応が増えつつあるように見える。僕の勘違いであればいいと思うのだけれど。(ヒステリックな発言はうるさくてよく聞こえるので、実際以上に多く聞こえてしまう・・・)

←スティング・ベスト盤
(こちらでもご紹介しました→スティング@ロハス

2006年03月18日

ジャズとロック@スティング『ブリング・オン・ザ・ナイト』

先日『ポリス・ライヴ!』を紹介しましたが、今日はソロになってからのスティングの最高のライヴ盤『ブリング・オン・ザ・ナイト』!!(2枚組)
【CD】スティング /ブリング・オン・ザ・ナイト<2003/8/27>←CD『ブリング・オン・ザ・ナイト』
試聴はこちら→Bring on the Night

この作品はスティングのファースト・ソロ・アルバム『ブルー・タートルの夢』リリース後のライヴ音源を集めたもの。ジャズ界の名プレイヤーが集結したバンドによるものすごい演奏に、最初から最後まで圧倒される。彼らはいわゆる「ロック・バンド」ではないが、彼らの若く熱い演奏には、「演奏技術」以上のロック魂とでも言えそうなものを感じる。スティングはギターとボーカルを担当している。バンド・メンバーは、サックスにブランフォード・マルサリス、キーボードにケニー・カークランド、ドラムにオマー・ハキム、そしてベースには、ビル・ワイマン脱退後のローリング・ストーンズにも参加しているダリル・ジョーンズ

まず最初の「ブリング・オン・ザ・ナイト〜ホエン・ザ・ワールド・イズ・ラニング・ダウン」はスティング定番のメドレー。ポリスの曲2曲のメドレーだが、「ブリング・オン・ザ・ナイト」はサビがかなりポップになっているし、「ホエン・ザ・ワールド・イズ・ラニング・ダウン」はダンサブルなアレンジに電子ピアノやサックスのソロ、ブランフォード・マルサリスのラップが入るなど、ポリスとはかなり違ったジャンルになっているが楽しめる。「Low Life」はダリル・ジョーンズの少し引っかかりのあるのりや、ハスキーなスティングのボーカルが気持ちいい。「We work the Black Seam(黒い傷あと)」ではAメロのスティングのボーカルがやや走り気味だが、サビの後の落とし方など、随所で光る渋さに何度もぞくぞくする。ポリスの曲「Driven to tears(世界は悲しすぎる)」は、ポリスのような荒っぽい勢いは無いが、ものすごい演奏を妙にクールにやっちゃっているのがとてもかっこいい。そして、僕の大好きなインスト・ナンバー「ブルー・タートルの夢」でスティング・バンドの演奏力を発揮しまくった後、またポリスの「デモリション・マン(破壊者)」へとメドレーでなだれ込む。

後半、2枚目の冒頭では、全人類の共存を歌う「One world (not three)」からメドレーで「Love is the seventh wave」に流れ込む。後半のギター・オルガンのソロの後に2つの曲が徐々に融合していくのがかっこいい。スタジオ録音よりもじっくりじっくり演奏される「バーボン・ストリートの月」は、ブランフォード・マルサリスのサックスが素晴らしく歌う。クライマックスで、スティングのボーカルに驚くほどの力がこもるところもすごい。続く「I burn for you(アイ・バーン・フォー・ユー)」は最高だ。スティングの孤高の美学ここに極まれりという感じの名演。「Another day」はライヴの最後を飾るのにふさわしいセンスの良いポップ・ソングだが、まだこの作品は終わらない。これまた僕の大好きな「Children's Crusade(チルドレンズ・クルセイド)」はサックス・ソロ部分の盛り上がり方がすごい。ジャズ・プレイヤーによるブルース・ロック・ナンバー「Down so long」では、ケニー・カークランドの「キーボードによるギター・ソロ」がおもしろい。ポリスの曲で始まったこの作品だが、最後を締めくくるのもポリスの曲で「サハラ砂漠でお茶を」。

ちなみに、同名のDVDも出ているが、こちらはアルバム『ブルー・タートルの夢』の制作過程も収録したドキュメンタリー作品となっている。スティングのプライベート映像や、CD『ブリング・オン・ザ・ナイト』のパリ公演の映像やリハーサル風景も収録されている。(ただし、音源はCDとは異なるようです)
←DVD

2006年03月13日

アンディ・サマーズは変わってる@ポリス・ライヴ!

うーん、やっぱりアンディ・サマーズというのは変わったギタリストだ。僕はこの人のギターがかなり好きだ。なんだか変なことをよくやっていて、他のギタリストとは一線を画している。独自の世界観を持つギタリストとして、稀有な存在だと思うのだ。ところがである。ポリスをスーパー・バンドと呼ぶことに異論のある人はあまりいないかと思うのだが、ポリスのギタリストであるアンディ・サマーズの評価は意外と高くないような気がするのだ。少なくとも、アンディ・サマーズが大好きです、と言っているギタリストを僕は知らない。エリック・クラプトンジミー・ペイジジミヘン、はたまたピート・タウンゼントなどなどといったギタリストの受けているのと同等の扱いをアンディ・サマーズは受けていないと思うのだ。知名度の点でもスティングには及ばないし、アンディが昔アニマルズで活動したこともあるということも意外と知られていない。

これはなんでなんかいな・・・ということで「ポリス・ライブ」を聞きなおしてみたのである。このアルバムはともかくテンションが高い、最高のライヴ盤だ。ポリスの高い演奏技術、高い表現力が詰まった2枚組み。一枚目は1979年、初期のパンクっぽさが残ったライブ音源、二枚目は1983年、新たな世界観を開拓した後期ポリスのライブ音源になる。
ポリス・ライヴ←「POLICE LIVE!
試聴はこちら→Police Live (Dig)

曲数が多いので、一曲一曲の紹介は今日はあまりしないでおこう。ただ、ともかくすごい!かっこいい!ポリスの曲の中で最もハイ・テンションな曲「ソー・ロンリー」は、スティングのハイ・トーン・ボーカルと猛烈な疾走感に驚く。「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」では、不思議な浮遊感をかもし出すスチュワート・コープランドのドラムと、味のあるスティングのベース・ライン、アンディ・サマーズの光の粒子のようなギターが紡ぎだす雰囲気がとても気持ちいい。月面をふわふわと歩くようにうきうきした気分を表現した曲だ。売春婦への愛の歌「ロクサーヌ」は、ポリスの曲の中で一番クールで、僕が一番好きな曲だ。スティングが一箇所ベースを間違えているが(笑)、切れ味の鋭さがともかくかっこいい。超特急の口説き歌「サリーは恋人」では、中間部でアンディ・サマーズが詩の朗読(?)をする。アンディ・サマーズはわりと控えめな外見なのだが、かなり熱い人だということがわかる。かっこいいシンセのループで始まる「シンクロニシティ I」はアンディ・サマーズの空間的なギターと、なにやらわけのわからない不思議なギター・ソロがやたらとかっこいい。続く「シンクロニシティ II」もバンド全体が全力疾走という感じで興奮する。

恐竜をモチーフにした世界観がおもしろい「ウォーキング・イン・ユア・フットステップス」は、スティングのソロにもつながる深みを持つ曲。この曲でもアンディ・サマーズは空間的な広がりを作り出すミュート・ギターに徹している。僕はこういうギターがかなり好きなのだが、こういうギターを弾きたがるギタリストはあまり多くは無いだろう。ギタリストの多くは、もっとギターをギュインギュイン唸らせたり、轟音ギターをかき鳴らしたり、ブルージーな泣きを入れたりするのが好きなんじゃないかな?こういうほかのロック・ギタリストとはあまりにも違いすぎるから評価が低いのだろうか?まぁ、ともかく、アンディ・サマーズってかなり変わっていると思う。
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