絶対音感は音楽活動全般にわたって利点が多いと言われることがある。たとえば…
1)聴いた音楽の音階名がわかるので、楽譜が無くても聴いた曲を演奏できる
2)音階名で記憶するため、曲を長く正確に記憶できる
3)音の高さを正確にイメージできるため、楽器を使わずに作曲できる
なんてことが言われたりする。
しかし、はっきり言ってこれは「嘘だらけ」だ。絶対音感の能力が無くても、自由に音楽活動を楽しむことができる。以下では、上記のそれぞれについて見ていきたい。
1)絶対音感が無くてもできる。バンド活動をしている人なら「耳コピ」を試みたことがある人が多いだろう。絶対音感が無くても、ちょっと慣れれば耳コピはできるようになる。
2)旋律を記憶するのに絶対音感は必要ない。大抵の人は好きな曲を数回聞いたらメロディを自然と口ずさめるようになるだろう。中には、歌や楽器部分を別々に正確に再現できる人もいるだろう。もちろん、再現する際にキーが元の曲と少しずれることはあるだろうが、そんなことは別に問題ではない。バンドなどで演奏する場合には、「相対音感」によって他の楽器とキーを合わせることができれば十分なのだ。
3)絶対音感が無くても作曲はできる。僕自身は楽器を触りながら曲を作ることが多いけれど、ときには街中で曲のフレーズを思いついて、家に帰るまでの間にイメージを膨らませたりすることがある。楽器を持ってない場合には絶対音感は有利だけれど(笑)、楽器があるのであれば絶対音感があっても無くても大した違いはない。
たまにテレビなんかで「私は絶対音感があるから、世の中の音すべてが(騒音も含め)音階名で聞こえてくる」なんて言う人が出てくるけれど、あれもほとんど嘘だと思う。だいたい、「世の中の音」が西洋音階の音に正確に合致することなんて多くはないはずなのだから、「正確な絶対音感」からいけば西洋音階の音階名があてはまったりはしないのだ。
もちろん、絶対音感が簡単に身につくのなら、ゆるやかな絶対音感はあってもいいかもしれない(あまり正確すぎるとかえっていろいろ苦労するようなので)。しかし、子どもの頃からの訓練が必要とされている。ある年齢(臨界期:6−7歳)を過ぎると身につけるのが難しくなると言われている。「いま訓練しないと手遅れになりますよ」というような脅し文句についついつられてしまうかもしれないが、遊び盛りの子どもを拘束してまで習得させる意味はない。
クラシックのプロになろうとするならば、日本の音大の入試では「聴音」が必要だから絶対音感があった方が有利になる(これもバカバカしい話だけど)。しかし、それ以外の人にとっては絶対音感は必要無い能力だ。絶対音感(音の高さ)よりも相対音感(音程=音の間隔への感受性)の方がずっと大事。
最相葉月『絶対音感』。ベストセラーだが、内容については賛否両論。
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これを読んで、昔から何だろうと思っていた自分の特技(聞けば階名で歌える)というが、相対音感だということがわかりました。
不幸にして、わたしの耳は聞き分けるのですが、再現できる技術も、声も持っていません。
鍛錬すればよかったのでしょうが、今となっては無用の長物・・・(笑)
下手な歌手や、踏み切りのカンカンという二音のズレにイライラするばかりですぅ・・・
レコード屋(CD屋?)で特にいろんなジャンルの音楽、もしくは調子の違う音が同時に耳に入るとイライラする等のマイナスもあります。
これがないから音楽が出来ないとか、今のうちに絶対に身につけさせておかないと・・・全て何かのセールスの売り言葉に過ぎません。親が子供にお金をつぎ込むことにつけ込んだ商法に乗せられないにしたいですね。
今迄、ピアノを習っていた、と言うと、
「じゃー絶対音感があるの?」と聴かれることが多かったんですが、何の事だかよくわかりませんでした(笑)
コップを叩いて、"ソ"に聞こえようと"ラ"に聞こえようと、音楽を作る上ではあまり関係ないような気がしますよね。高さの問題なら転調させれば良い訳だし。
私の場合も聴いた曲をある程度ピアノで弾いたりはできますが、それを絶対音感とは言わないような気はします。
とくに「訓練」しなくても、音階名で歌って遊んでいると身に付いたということなんでしょうか。しかし、身に付いても嬉しくないことも多いというのは困っちゃいますね・・・。
一度聞いた音楽を楽譜に再現する場合、絶対音感以外にもメロディ記憶能力や相対音感も働いている気がするんですよね。imagine-peaceさんの書かれているような例でも、驚くべきなのが絶対音感なのか、瞬時にメロディを記憶する能力の方なのかが、実はよくわからないんです。
にも関わらず、世の中ではなぜか絶対音感だけがクローズアップされて、早期教育の必要性が叫ばれたりしちゃうんですよね・・・。どっちにしても、それほど必要性の高い能力ではないにもかかわらず・・・。
絶対音感というと、なんだか「絶対的」なものだと思っている人が多いようですが、実は多くの人はゆるい絶対音感は持っているはずなんですよね。だから、一度聞いたメロディをピアノで弾こうとするときでも、元の音の高さとのズレはそれほど大きくないことが多いと思います。つまり、誰でも、ある程度は絶対音感も使っているとも言えると思います。
「絶対」音感という言葉であるために、「正確に音の高さを言い当てる」能力のことだと思われがちですが、そうでもないということですね。