コウノトリは農薬散布や環境破壊が原因となって数が激減し、1971年に国内の野生では絶滅。その後、飼育下で繁殖が繰り返され、数が増やされたあと、ようやく2005年9月に5羽が野生に帰された。今回産卵・孵化に成功したつがいは、昨年の9月に放鳥された2羽。今年の4月中旬に人工の塔の上に巣を作ったあと産卵したのが確認され、観察が継続されていたそうだ。今回の孵化成功は、国内では福井県小浜市で1964年に確認されて以来となるというが、ようやく・・・という感じである。
コウノトリの野生復帰といっても、ただ数を増やして自然に放せばいいのではない。コウノトリが住める環境が整えられていなくてはいけない。豊岡市の野生復帰事業では、水環境の整備や農薬に頼らない農法の開発など、かなり総合的に環境の改善がなされてきたようだ。
ところで、コウノトリといえば子宝の象徴である。最近でも、いわゆる「赤ちゃんポスト」を「こうのとりのゆりかご」と呼ぶことが話題になったりした。コウノトリ=子宝、またはコウノトリが赤ちゃんを運んできてくれるというイメージはヨーロッパの昔話が元のようだ。それを元に、アンデルセンもコウノトリの物語を書いているらしい。
しかし、なぜヨーロッパでこういうイメージが定着したのかは、よくわからない。少なくとも、コウノトリの生態を実際に見てみても子宝のイメージの元になりそうなものがあまりないのだ。彼らは子沢山では無いし、雛を口で運ぶわけでも無い。また、コウノトリのつがいの夫婦愛は薄弱だという話もある・・・。人里に暮らしてきたコウノトリは、雛を防衛するために人間に向かってくることがあり、それで雛想いの鳥というイメージがついたのかもしれない。しかし、そこから「人間の子宝」の象徴になるというのは、ちょっと飛躍している気もする・・。


で、結局よくわからないので、映画・音楽ネタでごまかします。これはディズニー映画『ダンボ』の冒頭でコウノトリがいろんな動物の赤ちゃんを運んでくるシーン。なかなか自分のところに赤ちゃんが届かないダンボのお母さんの表情がうまい・・・。この作品は名作です。泣けます。いきなりシュールなシーンが出てきたりもして楽しめます。
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