2006年12月02日

少子化は問題ではない

政府の『少子化社会白書』によると、日本は「超少子化国」なのだそうだ。昨年、戦後ずっと増加し続けてきた日本の人口は減少に転じ、合計特殊出生率は1.25に減少したそうだ。

さて、突拍子もないことを言うように聞こえるかもしれないが、僕は人口が自然に減少するのは歓迎すべきことだと思っている。もちろん、国がつぶれるほどに人口が減ってしまっては問題だが、日本の人口は今の半分くらいでちょうどいいのではないかと思う。

世の中では少子化を「解決すべき問題」だと捉える考え方が一般的なようだ。それは少子化が人口減少につながるからだ。そして、「人口減少」を国の一大事だと考える人も多いようだ。しかし、僕はあえて言いたい。人口減少は問題ではない、と。

少子化や人口減少を「問題」だと考える人は、まず、「国際的競争力の低下」を問題点として挙げる。将来の働き手が減ると外国との経済競争に負けるだろうというのだ。しかし、経済競争というのは「人数」では決まらない。むしろ、テクニック・アイデアなどの質が重要なのだということは、IT企業の勃興などを見ても明らかだろう。それに、国の人口と国際的競争力はまったく対応していない。インドネシア、ブラジル、パキスタン、バングラディッシュ、ナイジェリアなどは世界の人口ランキングのベスト10にも入り、日本よりも人口が多い国だが、必ずしも経済的競争力が高いとは言えないだろう。

経済規模の縮小」を少子化の問題点として挙げる人も多い。経済規模が縮小すれば、不景気になったり、経済が不安定になったりするというのだ。しかし、これは「根拠の無い不安」に近いものだと思う。人口減少は急激に起こるわけではないし、ある程度予測もできるのだから、それで経済が不安定になるとは思えない。また、日本の経済規模が少しくらい縮小したとしても、安定しておればなんの問題も無いのだ。それに、アイデア次第で海外に市場を求めることもできるだろう(政治家が「勇ましい」外交で無駄に敵を作らなければ)。

年金などの「社会保障制度の維持が難しくなる」ことを少子化の問題点と考える人もいるだろう。しかし、これもしっかり対策を練れば問題にはならないと思う。すでに、定年延長や雇用延長制度も動き出しているようだし、これがもっと柔軟に進んでいけば人口ピラミッドの歪みの影響は緩和されるだろう。また、今の政府の財政政策に無駄が多いことは周知の事実だが、そういった無駄を徹底的に排除することも有効だろう(消費税の「便乗」的増税なんて話をする前に)。

そもそも、日本のような先進国の国民は一人当たりで消費するエネルギー量が非常に多い。多すぎるくらいに多い。だから、先進国の人口は最小限に抑えるべきなのだ。今の日本の人口は多すぎだと僕は思う(開発しすぎ、家も建てすぎ・・)。それに、少子化「問題」にかこつけて「女性は国のために子供を産むべきだ」という雰囲気が一部で高まっているのも気になるところだ(この風潮は、「産みたくない」女性よりも、「産みたいけど産めない」女性をひどく傷つけてしまう)。これはほとんど戦争中の「産めよ増やせよ」的発想である。

もちろん、少子化+人口減少にともなって、さまざまな構造再編は必要となろう。しかし、少子化や人口減少自体を回避するのに躍起になることはない。むしろ、人口減少に応じた構造再編策を丁寧にやっていけばいい。


ラベル:少子化
posted by muse at 16:16| Comment(15) | TrackBack(0) | 想い・日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
人口減ということは、
地方が衰退、学校が減るだけではなく、

大きな経済的損失があります。
ベビー産業・教育産業・購買力が落ちるなど、
消費が減ると言うことが
大問題です。
Posted by ツッチ at 2006年12月02日 18:05
ツッチさん、どうもありがとうございます。

たしかに、人口が減少すればその分全体の消費は徐々に減るでしょう。しかし、経済規模が減ること自体は問題でないことは上に書いたとおりです。

ただ、教育産業やベビー産業にもろに影響が出ることは否定できません。子ども以外に市場を広げる工夫が困難ですから。しかし、子どもの数は急に変化するわけではなくて、ある程度の予測ができるものです。それに応じたビジネスを繰り広げる必要があるということでしょう。

また、過疎化と地方衰退は人口減少が始まるよりずっと以前から、人口減少とは関係ない要因によって起こっている現象ではないでしょか。少子化とは関係無いと思うのですが。
Posted by muse at 2006年12月02日 18:57
自分が学生だった頃は、人口増加が問題になっていたように思います。
「このまま人口が増えつづけたらどうなるんだろう?」と 昔・思ったことを考えると、少子化問題と言われてもピンとこないところもありますね。

ユーミンが 「日本の人口が増えるから、子供はつくらない。」なんていう記事を読んだ記憶もありますから・・・
Posted by あり at 2006年12月03日 23:19
   なるほど、あなたのような、考え方

 もあるのですね。興味深くよませてもらいまし  
 た。



 
Posted by ハチ公 at 2006年12月05日 01:27
私は第二次ベビーブームの終盤世代なので、人口が減っているという感覚はあまりなかったのですが、最近の報道で学校の空き教室や廃校の増加などを見て、ようやく実感しつつあります。
 私は、今の人口の2/3くらいが適正なんじゃないかと思ってますよ。ですからmuseさんのおっしゃることもなんとなく分かる気がします。
Posted by ろ妃江 at 2006年12月05日 11:49
ありさん、どうもありがとうございます。

いまでも世界的にみれば人口増加が問題になっているわけですよね・・。

いまの日本は、自分たちで食べるものを作ることすらできていない状況ですし、現在の人口を維持する資格が無いような気もします。
Posted by muse at 2006年12月05日 12:23
ハチ公さん、どうもありがとうございます。

やはり一般的には「経済成長」が唯一の目標のようになっていて、経済規模の縮小は「後退」だととらえられがちです。でも、すべての国が経済成長をすることなど不可能ですし、そんなことを目指せば地球は壊れてしまいます。近い将来に生まれてくる子供たちのことも考えれば、いまの人口減少傾向は歓迎すべきことのように思えます。
Posted by muse at 2006年12月05日 12:27
ろ妃江さん、どうもありがとうございます。
たしかに廃校は起こっていますよね。ベビーブームの頃の子どもの数からはずっと減ってますから当然のことなんでしょう。母校がなくなるというのはさびしい経験でしょうね・・。センチメンタルなことを言っていても、しょうがないですが。
Posted by muse at 2006年12月05日 12:33
「少子化問題」を「おおごと」にするのはさまざまな背景があります。一部では「増えないと本当は人口20億のくに」に攻撃されたときに困る、だとか「社会保障や年金問題解消対策を練るのが面倒だから、とにかく次の世代を増やす」ためだとか。。
だからこれだけ「少子化問題」が話題になっても「社会への理解」「子育て支援」や「育児休暇」などは活発に動いていないのでしょうね。
これが日本のくにの本音であるような気がします。悲しいですね。。

先日19日にコメントを頂いたのですが返答が遅くなってしまいましたが先ほど致しました。またお時間が御座いましたらぜひ↓
http://ameblo.jp/puranino/entry-10020496843.html#c10034043537
Posted by あすか at 2006年12月07日 02:00
あすかさん、どうもありがとうございます。

「人口が増えないと隣国との戦争に負ける」・・・・まず、戦争が起こることが前提になってるのが恐ろしい話ですよね(自民党と民主党の一部の政治家たちは、どうやったら戦争を起こせるかを研究しているなんて話もありますが・・)。しかし、これもやっぱりおかしな話で、現代の戦争は人数では決まりませんしね。

でも、こういう政治家たちはきっと、「将来の徴兵制に備えて少子化対策をするべきだ」とかって考えてるんでしょうね・・・。
Posted by muse at 2006年12月07日 13:00
別の記事のTBからきましたじゅぁきといいます、はじめまして。

少子化の問題点は見方を変えれば確かに問題ではないように思えます。
しかし、社会は消費があるから経済がなりたっています。
近々はベビー産業ですが、そのベビー達はいつか大人になり消費者になります。

単純に考えても消費が減り、企業の業績、特に物作り産業は打撃だと思いますが、どうでしょうか?
確かに対策をきちっととればとおもいますが、あまりに人は欲望が多すぎて、とてもこれだ!っていう対策はたてられません。

また、子供の数がへるという事はそれだけ友達も作りにくい環境になり、地方などは顕著に現れる結果、教育の不平等が生まれやすい環境になりませんでしょうか?

museさんがおっしゃる事は少子化が問題ではないというのではなく、現状維持なら問題ないと私は受け取りました。
やはり減少は問題と思います。
Posted by じゅぁき at 2007年01月31日 15:17
じゅぁきさん、どうもありがとうございます。

たしかに、経済は消費があってこそ成り立っているものです。少子化や人口減少によって変化は起こります。子どもを相手にした産業は難しくなっていくかもしれませんし、全体の経済規模も縮小はしていくでしょう。

しかし、近い将来のことだけにとらわれていてはいけないのだと思うのです。

僕が自然な人口減少は喜ばしいことだといっているのは、それが、人類がより長く生きていける道だと考えるからです。だから、人口減少を前提として、うまくやっていく努力をするべきなのだと思います。

人口減少にともなう様々な変化への対策は必要です。子どもの育つ環境も重要な課題です。そして、人口減少とは別に、過疎化と地域間格差の問題もあります。こういった問題に真剣に取り組み、知恵を出し合う必要があるのですが、現在の政府は「少子化の回避」に頭を使いすぎているのだと思います。
Posted by muse at 2007年01月31日 16:59
興味深く拝読させて頂きました。

少々暴論になりますが、わたしは「社会保障制度」
そのものの在り方を見直すべきだと思っています。

年金制度は廃止してもいいと思う。

自分の納めた税金を後で貰うというだけなら、
その間の手間賃(人件費他)の分だけ無駄。

最初から自己責任で蓄えたお金をそのまま自分の
老後に使えばいいだけのことです。

子供の多い家庭ならその子供に養ってもらえばいい。

子供の多い家庭ならそれだけ子の負担も少なくなる。
(これによって出生率が上がるかどうかは別として)

親を見捨てるような子なら、そういう子に育てて
しまった親の躾の問題。

これも自己責任です。

子のいない家庭や独身者なら、それだけ子供のため
の養育費が掛かってないのでその分を自身の老後の
為に貯蓄しておけばいい。

社会保障制度は社会的弱者(働けない人とか)のみ
を救済する制度として存続すればそれでいいと思っ
ています。

勿論、年金制度を廃止する際には、それまで払った
税金は納税者に返却し、精算するのが大前提。

年金払わず貰ってるだけの層(年金制度初期の頃の
層)に対しては、国が保証する。

その財源確保のために”無駄”を削る・・・

こんな感じにして欲しいですね。
Posted by でぷあ at 2007年01月31日 19:07
でぷあさん、どうもありがとうございます。

年金制度をなくすというのは思い切った手法ですが、おもしろいアイデアだと思います。ただ、老後のために相当ためておく必要がありますよね・・。少なくとも、そういう不安感は増大するかもしれません。なかなか難しい問題です。
Posted by muse at 2007年01月31日 21:21
世間では少子高齢化とそれによる人口減少を問題視しているが、必ずしもデメリットばかりではありません。それどころかむしろ私自身も少子化と人口減少を歓迎しているほどです。
今の人口とその密度ではキャパをこえているほどです。 説によると自国の資源でまかなえる人口は本来3000万人ほどです。
Posted by 人口減少賛成 at 2009年08月16日 01:43
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