さて、このCMがなぜ議論の的になっているのか。マイケルはなぜ「民主党」候補の応援をしているのか?
このCM、英語なので内容が完全にはわからないが、ヒトのES細胞の研究がパーキンソン病の治療法解明のためには必要だということをマイケルは言っているようだ。そしてそれが、ES細胞研究を推進しようとしている民主党候補の宣伝にもなっている。
ES細胞(Embryonic stem cell)は、胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう)とか「万能細胞」とも言われている。我々の体を作る細胞はそれぞれの機能が固定しており、別の役割を果たす細胞に作り変えることは困難である。しかし、このES細胞からは、さまざまな種類の細胞や臓器を作ることができそうなのだそうだ。要するに、再生医療などのさまざまな医療に非常に役立つことが期待されている細胞なのだ。
ところが、ES細胞を取り出すには「受精卵」か、それより少し進んだ「初期胚」を用いる必要があるらしい。ここで生命倫理上の議論がおこることになる。キリスト教保守派の人々は、受精後の胚を壊すのは殺人であるとして、ES細胞研究に反対している。共和党のブッシュ大統領も、議会で成立しかかっていた「研究推進」法案に対して、就任以来初の拒否権を発動した(共和党の中にも、アーノルド・シュワルツェネッガーのようにES細胞研究を支持する者もいる)。
ES細胞研究の是非については、議論百出の状況だ。受精卵は、不妊治療において余ることがあり、それらを廃棄するよりは有効に活用した方がいいという意見は根強い(推進派)。しかし、受精卵の凍結保存の技術を用いれば、養育者を探して別の機会に出産させることができるという話もある(反対派)。ES細胞の研究をするより、成人の細胞からさまざまな機能を引き出すための研究に金をくれと主張する者もいる(反対派)。しかし、現状ではES細胞でしか解決できそうにないと考えられている難病もある(推進派)。
・・・と、議論は大混乱だ。しかし、僕の考えはもっとシンプルだ。ヒトの受精卵と言っても、初期の胚はまだ人間そのものにはなっていない。胚が成長するにつれて、「単細胞生物」→「なんだかよくわからない生物」→「ちょっとわかりやすくなってきたかも」→「魚」→「両生類」→「哺乳類」というように、だんだんと人に近づくのだと思う。だから、初期の胚を壊すことに過敏に反応する必要は無い。後期の胚を中絶するのは問題性が高いと思うし、ES細胞研究に過剰な期待をしすぎるのも良くないとは思うが(論文捏造なんてことにもなるしね…)。
しかし、「難病」の患者がES細胞研究に希望を見出そうとするのは当然だろう。そういう意味でマイケルの行動は理解できる。しかし、保守系の人の中からは「マイケルのふるえる動きは演技だろう」とか「自分の症状を売り物にしている」といった批判もあるようだ。僕は、こういう批判をする人の人格を疑う。自分が気に食わない情報に対してすぐに「捏造」だとか「歪曲」だと言って根拠もなく全否定しようとする態度は、とても見苦しいものだ。マイケルは現実にパーキンソン病によって俳優業から引退し、絶望のどん底から奇跡的に立ち上がって、この病気の治療法解明のための研究援助活動をおこなってきたのである(→マイケル・J・フォックス@パーキンソン病)。マイケルが今回のCMに出演するに際して曲がった動機など一かけらも持っていないことくらい、彼の経歴に目を向ければ明らかなはずだ。
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医学的に見てもマイケルの震えは「演技」ではないようだ。それどころか、薬の長期使用に原因がある症状のようだ。詳しくはこちら→ニック・ジャガーさんのページへ







今後生まれるかもしれない人よりも、今生きている人のほうが大切と考えてもいいのではないかと思いますね。
マイケル・J・FOX 著作等についても書いています。よろしければご覧ください。http://ameblo.jp/richard-wonbygones/entry-10019158671.html
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そうですね。保守的なキリスト教の人は、その辺はどう考えてるんでしょうね・・。「不知の病」とされている病気の患者に対する、現世での救済を軽視しているようにも取れます。
マイケルのCMの影響力を理解しているからこそ、反対勢力の人がむきになっているんでしょうけどね。ただ、こういう発言は他の一部の人にも「憎悪」を感染させていくものだと思うので、見ていて悲しくなります。反論するなら反論するで、どうしてもっと理性的になれないのか・・・。
保守派の人間は相手の勢いに押されて必死なんでしょうね。
追い詰められた人間の行動は愚かですね。
そういえば、バック・トゥ・ザ・フューチャーの新作が制作されてるらしいですよ。
マイケルはマーティー役ではなく、ドク・ブラウン役らしいです。
彼の体調面がすごく心配ですが、正直な話、楽しみです。
こういう「嫌悪感情を煽る」非難のやり方の一番悪いところは、一部の人に伝染して誹謗中傷の連鎖が起こってしまうところ・・・。これと似たことは日本でも起こることがありますが、見ていて悲しくなります・・・。
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART4(最新作)』の製作については、かなり以前から何度か噂になっているようですが、正確な情報なのかどうかよくわかりません・・。どうなんでしょうかね・・。
パーキンソン病やES細胞の見識、見事です。
じっくり読まして貰いました。確かに当事者にしか分からない問題ですよね。
誹謗する心ない人もいますもんね、何処の世界にも。
僕もマイケル・J・FOXは好きな俳優なので、
病気を知った時はショックでした。インタビューを受けている映像も、
見てて苦しかったです。
良くなって欲しいと思っている一人です。
“頑張れ、マイケル”ですよね。
病気にかかっていない人が、病気に苦しんでいる人の気持ちを想像するのは難しいことです。ただ、ES細胞研究というのが、パーキンソン病患者をはじめとするいくつかの疾患の患者にとって、解決への数限られた道の一つなのだということですね。
マイケルの病状が良くなってほしいと思いますが、パーキンソン病の治療はまだ本当に難しいのだということを改めて認識させられました・・。まだまだ研究が必要なんですね。
マイケルは心ない非難に対しても、あえて反論はしないという姿勢のようで、彼の強さには感服させられます。難病といわれる病気はまだまだ数多いですが、医療の発展を願うしかないですね・・。
症状が抑えられないどころか、薬によってひどくなってしまうという話はショックですよね・・。ES細胞研究以外にも解決の道はあるかもしれませんし、そちらも探求してほしいですが、数少ない希望の道を閉ざされるのは悲しいことですね。