
このアルバムのリリースはリスナーにとっては突然のことだったわけだが、ここに入っている曲は、かなり以前から書き溜められていたのだという。たしかに、レディオヘッド『キッドA』『アムニージアック』から『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』あたりの雰囲気のする曲もある。本作の特徴としては、ビートへのこだわりが強いことと、メロディ・ボーカルの美しさが増していることだろうか。
「ジ・イレイザー」は、サビのメロディが壮大で美しい。やさしく、気持ちよく、癒しの力を持つボーカルが印象的だ。「アナライズ」は、エキゾチックなメロディながら、キリスト教的(?)な終末観をも感じさせる曲。「ザ・クロック」はヴォイス・パーカッション的味付けのあるダンサブルなナンバー。アップビートにより、焦燥感・不安感をかきたてられる。ゆったりとした「アトムズ・フォー・ピース(atoms for peace)」は、救いと希望のある前向きな曲だ。美しいメロディをトム・ヨークが気持ちよく歌う。ゆったりしているようで、バスドラム音が踊っているのもおもしろい。低音ギターとベース音によるリフがかっこいい「And it rained all night」は、エレクトロニック・ロックといった感じのおもしろい曲。歪んだ電子音が荒れまわる間奏にも興奮する。「I can never reach you...」という絶望感あふれる叫びが、美しくも悲しい。「ハロウダウン・ヒル」は、かなりポップなリフを持ちながらも、重厚なオルガンが重なったとたんに終末的な空気がたちこめ、大災害の後のような重い雰囲気になる。力強く訴えかけてくるトム・ヨークのボーカルが強烈だ。途中、ホラー映画にでも出てきそうな絶望的な音色のピアノにぞくっとくる。その後のギターの入り方もかっこいい。「シンバル・ラッシュ」は、ものすごい曲だ。終末臭あふれるオルガンが再び登場し、大災害後の世界のイメージが広がる。これは、911後の世界のイメージなのだろうか。あるいは、地球温暖化による「世界大洪水」に呑み込まれゆく世界を暗示しているのだろうか。(ちなみに、本作のジャケットの絵はそんな感じ。)そして、深い深い悲しみをたたえたピアノ。荒廃した大地をなぐさめる雨のようなサウンドで、この作品は感動的に幕を閉じる。
YouTube「シンバル・ラッシュ」ライブ←オリジナルと少し違うが、かっこいい!!
YouTube「And it rained all night」←プロモーション・ビデオ
YouTube「ハロウダウン・ヒル」←プロモーション・ビデオ



先日は私のブログにコメント下さりありがとうございました。
museさんはずいぶん広く洋楽を聞いてらっしゃるのですね。
私の好きなアーティストもカテゴリーに多く含まれていてとてもうれしいです。
今後も時々のぞきに来ますのでどうぞよろしくお願いします(リンクに加えてもよろしいでしょうか?)
それから、昨日ようやくビリー・ジョエルの12gardens liveを購入しました。
やっぱりいいですね!
(記事とは無関係のコメントですいません・・・)
当ブログも、なんだかジャンルが飛びまくっていて、とりとめなくなってますが、どうぞまたお越しください!リンクはフリーですのでどうぞ。こちらからもリンクを貼らせて頂いてよろしいでしょうか?
ビリー・ジョエル、コンサートは初めてということだそうですが、それは楽しみですね!
ビリー・ジョエルは、洋楽を聞き始めたころから聞いていましたので、思い入れのあるアーティストの1人です。
今後は私のサイトでも時折ビリー・ジョエルの話題を取り上げていこうと思っています!
今後とも、よろしくお願いします。
僕もビリー・ジョエルから洋楽に入ったので、特別の思い入れがあります。ビリー・ジョエル、どんどんとりあげてください!
先日、僕のブログにTBして頂いたので、こちらもTBさせて頂いたのですが、手違いで2回TBしてしまったようです。失礼致しました(^o^;
こちらこそ、気付かずに二つ目をやっちゃいました(笑・・)。すいません・・。
さて、次はレディオヘッドの新作に期待ですね!
TBありがとうございます。
突然のリリースでしたがこの音にはやられました。
おっしゃるようにレディオヘッドにも期待してます。
まら遊びに来たいと思います。
勝手ながら当方からリンクを張らせて頂きました。^^
レディオヘッドの新曲もいくつか聴きましたが、ええ感じです。アルバムに収録されるのかどうかはわかりませんけれど。こちらも楽しみですね。