2006年06月12日

忘れはしない、あの美しさ@ふちがみとふなと

身の周りから自然の風景が無くなってきている。僕が子供のころにはあった田んぼも、だいぶ無くなってしまった。家のすぐ近くにあった小さな林も住宅地に変えられてしまった。昔はそこにカブトムシやアゲハチョウなどの虫や、綺麗な声でさえずる鳥たちがたくさんいたし、イタチも住んでいたという所なのだ。これはしかし、日本中のいたるところで進んできた開発の、ほんの一部分、まったく取るに足らないほどの一部分に過ぎない。

最近の子供たちは自然に親しむことが少なくなっているだろう。テレビ・ゲームやパソコンがあることも理由だろうが、そもそも、親しむべき自然が身近には無いという子がたくさんいるだろう。このような状況に絶望感を覚える人もいる。子供のうちに自然の美しさを体感できなかった人は自然の価値を理解できず、守るべき自然をも守ろうとしなくなるのでは、という心配だ。近い将来、多くの人が自然や自然破壊に対して無関心な時代が来るのだろうか?

大人になってから都会で生活するようになった人でも、子供の頃に自然に親しんだ経験があれば大丈夫かもしれない。まさに、そういう内容の歌がある。京都のデュオ「ふちがみとふなと」の「ガラスと夕焼け」という曲だ。アルバム『バブの店さき』のラストをしめる、美しく、感動的な一曲。

背の高いビルのあいだに 遠く見える山の名は知らない
むかし海が泳げたことも みな忘れてしまったわけではない・・・
小さい頃のいろんな色を みな忘れてしまったわけではない・・・
赤とんぼの似合う夕やけ 草いきれの匂いするみどり
おちる星かぞえれる星空 闇より暗い闇夜
ガラスの中ではわからない でも忘れてしまったわけではない・・・
バブ.jpg
『バブの店先』は1998年の作品だが、2005年にリミックス・リマスター盤が発売されている。詳細はふちがみとふなとのホームページへ。

ふちがみとふなとは、渕上純子(ボーカル、ピアニカ、怪獣など)と船戸博史(ウッドベース)のユニット。基本はウッドベースと歌というスタイルだ。アルバム一枚、全8曲の中でさまざまな声を出す渕上純子のボーカルの表現力は圧倒的だ。「イワンの水」は一曲目にして、いきなり怖い。おそろしい童話のような曲だ。後半で船戸博史のウッドベースが荒れ狂うのも怖い。ぼのぼのが聞いたら、いろんな想像をめぐらして涙を流すであろう。次のアルバム・タイトル曲「バブの店さき」は、タンザニアのタンガの町にある、あるおじいさんのお店での日常の情景を歌った作品。「バブ」というのは「おじいさん」という意味のスワヒリ語で、二人がアフリカを旅した時にタンガで出会ったお店の主人のことらしい。「Go!Go!マングース」は、ハブと闘う沖縄のマングースをヒーローと見たてて作られた、ヒーローものの主題歌。露骨に力みすぎのボーカルが楽しい。「坂をのぼる」がまた非常に素晴らしい曲だ。前半はシンプルなウッドベースの上に綺麗なボーカル・ラインが映える。後半では、エフェクターをかけたウッドベースが分厚くうずまいて、すさまじい空間を生み出す。そして、「ガラスと夕焼け」でアルバムは閉じられる。

ライブ情報は、ふちがみとふなとのホームページをご参照ください(→ふちがみとふなとのホームページ)。現在、ヨーロッパ・ツアー中なのだそうです。


この記事へのコメント
こんばんは〜!
私、ダンナさんに“バブちゃん”って呼ばれてるので、「バブの店さき」はちょっとドキッとしたり〜(^_^;)
スワヒリ語で〈おじいさん〉って意味なんですね〜。
そういえばロシアアニメの「チェブラーシカ」でも自然破壊を憂いる話がありましたね・・・。
ふちがみとふなとにチェブラーシカと同じく牧歌的な雰囲気を覚える私です・・・。

この前家の近くでイタチみかけました・・・。東京都武蔵野市で・・・。
まだ自然破壊にストップをかけられる余地はあるのかなぁ〜?と思いましたが、ひとりひとりが今の状況に危機感を自覚できるのか?というのが問題になってきますよね・・。
それと新しい世代にそこらへんの危機意識を持ってるオピニオンリーダーが必要かな・・?なんて他力本願ですね。失礼いたしましたm(__)m
Posted by ルル at 2006年06月13日 21:12
お言葉身にしみる思いです。
私のブログでも書いていますが、自然の音がなくなりつつあるのはさみしいですね。
なくなっているというか、関心がなくなっているのかもしれません。
田舎で米作り。これを経験すれば大抵の苦労は乗り切れると思います。
人のせいにしないで、全て自分の責任。子供たちには学ばせてあげたいと思います。

ぼのぼの好きなんですね。
私も大ファンです。
しまりすが特に。
いじめる?
久々に読みたくなりました。
Posted by 音環境コンサルタント 齋藤 寛 at 2006年06月14日 00:00
ルルさん、どうもありがとうございます。
牧歌的・・そうですね。「ガラスと夕焼け」はとくに懐かしい感じのする曲です。
へぇー、イタチですか。東京でも自然が残っているところには残っているということでしょうか。それとも、ペットのイタチ(フェレット)でしょうか!?(フェレットはたまに住宅地でも見かけますね・・)
開発は、ある程度しないといけない部分はあるのかもしれませんが、まったく自然の風景がなくなったところでは、人はいろんな意味でどんどん弱くなってしまう気がします。
若い世代のオピニオン・リーダー・・・強力な人はなかなか見当たりませんね。というか、若い世代に限らず、最近はまともな意見で影響力を持っている人がほとんどいない気もします・・・。
Posted by muse at 2006年06月14日 12:39
斉藤寛さん、どうもありがとうございます。
僕のいま住んでいるところは、幸い自然の音に恵まれています。川の音、鳥の声、蛙の声、風の音、赤ちゃんの声、夫婦喧嘩の声などなど・・(笑・・)。僕は子供のころにこういう音になじんできたので、とても落ち着きます。でも、子供のころにこういう音を聞かなかった人は、こういう音に無関心になってしまうのかもしれませんね・・。(でも、やっぱり、音の癒しの力はあると信じたいですが)

ぼのぼの、好きですよー。しまりすくん、最高です。
Posted by muse at 2006年06月14日 12:53
TBありがとうございます。
大好きなコレーヌ嬢、かわいくてキュートですね。
映像楽しんじゃいましたよ。

museさんのブログをみてたらこれまたふちがみ嬢を発見。
二年前の春一番でみなとのウッドベースでティーチ・ユア・チルドレンを歌った彼女をみて鳥肌がたちました。

YouTubeは著作権のからみもいろいろあるだろうけど個人的にはすご〜くうれしい。
いろいろ覗かせていただきます。
Posted by まりりん at 2006年10月22日 11:08
まりりんさん、どうもありがとうございます。
コリーヌ・ベイリー・レイ、ふちがみとふなとと、またまた趣味が重なっていて嬉しいです。ふちがみさんの歌声は、その場の空気の形を変えるような感じがあってすごいと思います。
Posted by muse at 2006年10月25日 13:02
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