
このライヴ盤は2枚組み・全17曲。アリーナでの通常のライブ音源に、小さめのクラブでのブルースやR&Bのカヴァー音源(2枚目前半)が挿入された形になっている。ちょうどフェイセズからロン・ウッドが加入した頃のストーンズの演奏だが、ロン・ウッドも含めてバンドの息はぴったり合っている。

まず目を引かれるのが、アンディ・ウォーホールによるジャケット。ミックが誰かの手に咬みついているという絵だ。ジャケットの裏も同様で、ロン・ウッド、ビル・ワイマン、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ミック・ジャガーのそれぞれが隣のメンバーの(または自分の?)手や耳に咬みついている。
演奏曲目は、ストーンズのいろんな魅力が一度に楽しめるものになっている。「ホンキー・トンク・ウィメン」のねばっこさ、ダンサブルなファンク・ナンバー「ホット・スタッフ」の土臭さ、チャック・ベリー的なロックン・ロール・ナンバー「スター・スター」のエロチックさと勢い・・・。キースがボーカルの軽快なロック・ナンバー「ハッピー」ではロン・ウッドのスライド・ギター・ソロもかっこいい。「ダイスをころがせ」はストーンズ独特のラフさに柔らかさがブレンドされた感じがとても良い。ビリー・プレストンのオルガンもとても気持ちいい。ドラマッチックな「無情の世界(You Can't Always Get What You Want)」は、ロン・ウッドの音をかき鳴らしまくるギター・ソロがとてもかっこいいし、最後にミック・ジャガーが聴衆を煽るところにも興奮する。
2枚目のカヴァー集もおもしろい。マディー・ウォーターズの濃厚なブルース・ナンバー「マニッシュ・ボーイ」、やや明るいのりのレゲエ・ナンバー「クラッキン・アップ」、そして、ハウリン・ウルフのブルース・ナンバー「リトル・レッド・ルースター」ではキースとロニーの両方が味のあるスライド・ギターを弾いている。カヴァー集の最後は、チャック・ベリーのご機嫌なロックン・ロール・ナンバー「アラウンド・アンド・アラウンド」。
2枚目の後半はまた通常のストーンズに戻って、このアルバムのクライマックスに突入する。「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」「ブラウン・シュガー」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「悪魔を憐れむ歌」とストーンズの代表曲が並ぶ。とくに「ブラウン・シュガー」以降の盛り上がり方がすごい。ミック・ジャガーの吠えるような歌い方が野蛮だ。「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」もかなり演奏が乱れながらも野蛮に突っ走っていく。アンコールの「悪魔を憐れむ歌」では、最初のAメロからいきなり、盛り上がったあとのメロディをミックが叫びだす。ミックが雄たけびをあげる中でのロニーとキースのギター・ソロ合戦もすごい。最初から最後まで盛り上がりっぱなしの野蛮な演奏だ。ストーンズの正規ライブ盤の中ではかなり荒削りで、野蛮な魅力を楽しめる一枚だと思う。
ラベル:ローリング・ストーンズ
TBありがとうゴザイマス。
確かにこのアルバム、オイラも好きであります。
オルタモント出の事件以来封印していた
”Sympathy for the devil"のテンションの高さに脱帽です。あと、
”Fingerprint file"。ベースがカッチョ良い!
また、遊びにキマ〜ス。
悪魔を憐れむ歌、テンション高いですよね。ミックの叫び方も本物の悪魔みたい・・・。