2006年02月26日

ベン・フォールズ・ファイヴのパンチ力

今日は、先日も少し触れた「ベン・フォールズ・ファイヴ」のデビュー・アルバムのご紹介。ベン・フォールズ・ファイブは、ベン・フォールズ(ピアノ・ボーカル)、ロバート・スレッジ(ベース・コーラス)、ダレン・ジェッシー(ドラム・コーラス)の三人組。ギターレスのスリーピース・バンドだが、3人で演奏しているとは思えないほどの迫力を感じさせるものすごい演奏力。まるで5人はいるようだというわけで、バンド名もベン・フォールズ・ファイヴ
ベン・フォールズ・ファイヴ←←   
Ben Folds Five『Jackson Cannery』一曲ごとのダウンロード購入・試聴も可能!

このアルバムは、そんなベン・フォールズ・ファイブの作品の中でも、とびきりパンチの効いたデビュー・アルバム。始めてこの作品を聞いたとき、僕は彼らの音の迫力と、繊細さと、美しさとやかましさと、曲の切ない魅力に、本当に驚いてしまった。あらゆる意味において最大限のパワーのみなぎる名作だと言っていいだろう。宣伝用のコピーには「泣き虫野郎のパンク・ロック」とか、「ニルヴァーナ・ミーツ・ビリージョエル」とか、「クイーン・ミーツ・ジョージャクソン」なんて書かれてあったが、これらの言葉はベン・フォールズ・ファイヴの持つ魅力のごく一部ずつをかろうじてつまみ挙げているにすぎない。本当にすごいのは、彼ら独特の繊細なメロディ・センスを中心に据え、力強い光を放つさまざまな色を同時に備えていることだろう。

きになるオセロでも使われていた「ジャクソン・カナリー」は、躍動感あふれるピアノ、ベン・フォールズの少しはずしたボーカル、ロバート・スレッジのファズ・ベースが踊りまくっていてともかく楽しい。そう、ベン・フォールズのピアノはリズムを生み出すピアノだ。彼はドラムもたたけるそうだが、彼のピアノはメロディを歌うドラムと言ってもいい。とてもドラマチックで美しい大曲「フィロソフィー」では、ベン・フォールズの突き抜けた作曲センスに感動。コーラス・アレンジもとても気持ちがいい。ファズ・ベースで突っ走る「ジュリアンヌ」はめちゃめちゃに遊びまくった曲。「ホエアーズ・サマーB」は一転してしっとりとした美しさも聞かせる。「アリス・チャイルドレス(アリス・チルドレス)」はアルバムの中で最も美しく、切ない名曲。アンダーグラウンドでは幸せになれると歌う「アンダーグラウンド」は、このバンドが泣き虫野郎と呼ばれる原因となった、彼らの代表曲。「スポーツ&ワイン」は軽快なのりがとてもオシャレ。「アンクル・ウォルター」では、ベースが踊りまくり、ベン・フォールズが息を切らせて、盛り上がりに盛り上がる。僕は最高にうまく自分の物まねをしているんだと歌う「ベスト・イミテーション・オブ・マイセルフ」は、自分について見つめ直す歌詞が胸に響く。別れの痛みを歌う「ザ・ラスト・ポルカ」はサウンドにも痛みを含んだ激しいポルカになっている。ラストの「ボクシング」では、生きるために戦うことのむなしさを静かに歌って、このアルバムは幕をとじる。

ボーナス・トラックの「トム・アンド・マリー(Live)」の最後の部分は次の曲のイントロのフェイド・アウトとなるが、フェイド・アウトされているのは名曲「エマライン」。この曲はファースト・アルバム録音時に一緒に録音されていたのだが、この曲だけギターが入っていたため、アルバムの統一性を欠くということで没となった曲。このライブ音源は「ホエアーズ・サマーB」のシングルに入っていたが、スタジオ・バージョンは編集アルバム『ネイキッド・ベイビー・フォトズ』に入っている。
ネイキッド・ベイビー・フォトズ←ネイキッド・ベイビー・フォトズ
Ben Folds Five『Emaline』←ダウンロード購入・試聴可能!

ちなみに、日本盤には元・フリッパーズ・ギターの小山田圭吾(コーネリアス)の、おそらく直筆の超推薦コメントがついていて(きったない字だけど・・・)、おそらく小山田圭吾本人の指紋も押してある。おそらく右手親指のもので、意外と大きい指紋だ。コーネリアスの指紋に興味のある方は絶対チェックすべし!
(最近の新しい盤のブックレットにも載っているのか未確認ですが・・・)


この記事へのコメント
museさんがBF5のことをたくさん書かれているので、なんか聞きたくなって引っ張り出しました。

前も書いたかな?
彼らの曲は、聞けば聞くほど味が出る(!)というか、本当に良く出来た楽曲だと言うことが感じられます。どれもこれも美しいのと、詩も美しいですよね。
Best imitation of myselfが大好きでした。
Posted by emiko at 2006年02月26日 23:11
emikoさん、どうもありがとうございます。デビュー当時は「泣き虫野郎のパンク」とか、「やかましい音楽」とか、ちょっとずれた評価が多かったみたいですが、よく聞くと曲も美しいし、詩も深いし、けして薄っぺらい音楽では無いんですよね。
Posted by muse at 2006年02月27日 12:28
トラックバックありがとうございます!!
とっても嬉しいトラバでした!!
フリッパーズも好きなので、小山田くんの事なども面白いです!
彼には新宿のCISCOで会いましたよ〜
お互いレコードをパタパタやってて(笑)
懐かしい思い出です!素敵なトラバに感謝!
Posted by アズ at 2006年03月06日 00:00
アズさん、どうもありがとうございます!
僕もフリッパーズも好きなので、このライナーノーツは嬉しかったです。僕もベン・フォールズ・ファイヴのこのアルバムは超推薦ですね。
Posted by muse at 2006年03月07日 11:33
はじめまして!ミルキーと申します。
あちゃーーごめんなさい。トラバ文字化けしちゃったんですね。(最近、トラックバック機能とか使ってなくて・・・どうぞ消しちゃてくださいな。)

ベン・フォールズ・ファイブの記事を探していて、ググったところmuse様の記事に出会ったんですよ。すっごく共感しちゃいましたのでww

特に
>3人で演奏しているとは思えないほどの迫力を感じさせるものすごい演奏力。まるで5人はいるようだ
のフレーズがすごく好きです。
ほんとですよね!3人とは思えない奥深さだわ!

なんとなくなんですけど、muse様とは音楽の趣味が似てるなぁ・・・と勝手に思ったりしています。
Posted by ミルキー at 2006年05月02日 19:48
ミルキーさん、どうもありがとうございます。
TB、文字化けしちゃっていますが、そのままにしておきます。

これを読まれた方もぜひ「文字化けしているTBに」(笑)!

ミルキーさんの記事の「ライブ・ビデオ」は本当に興奮しますよー。
Posted by muse at 2006年05月02日 20:59
TBありがとうございました。
自分のブログに記事書いてるときよりも、museさんの記事読んでいてこのアルバムが聴きたい衝動にかられました。
記事もパンチ効いてます(笑)
Posted by heavytopper at 2006年05月30日 20:30
heavytopperさん、どうもありがとうございますー。
この記事ではちょっとパンチを効かせてみました。というか、やはり元の作品に力があると、他の作品の記事を書くときより盛り上がれますね。やっぱりすごい作品だと思います、これは。
Posted by muse at 2006年05月31日 13:34
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?????潟?祉??????若???冴?祉????<?ゃ?
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