2006年01月03日

「ニートは悪者なのか?」と問うこと自体、不毛である。

最近、ニートが話題になることが多い。政府も多額の予算をニート対策(若者の就職支援)につけているようだ。多くの人はニートは「解決するべき問題」であり、だから「悪者」でもあると考えているだろう。なかには、「責任感の無い馬鹿な若者たち」と考えている人もいると思う。

ニート問題を改善する必要があるという考え方には僕も賛同する。しかし、ニートを「悪者」にするのは簡単なことだが、そのようなとらえ方だけでは事態は何も変わらないと思う。

まず、ニートには実に様々な問題が絡んでいて、さまざまな事情でニートが生じていることを忘れてはならない。対人関係をうまく持てない、仕事にやりがいを感じられない、生きがいが無い、どうせ本当の「自立」(たとえば自力でマイホームを持つこと)は無理だ、親が裕福、などなど・・・。こういったものがニートを作り出していることを踏まえると、政府の「ニート対策」はやや的外れのものに思える。普通の「就職支援」で解決できる問題とは思えないからだ。そもそも就職をしようという意思を持てていない人に効果があるかは疑わしいと思う。(中山成彬・前文科相の「もっと競争社会にしないといけない」なんていう発言は論外・・・)

また、ニートが問題視されるようになった状況をもう少し考える必要もあると思う。だいたい、今ほど個人個人が「ひとり立ち」することを要求する時代はなかったのではないだろうか?地縁・血縁の地域共同体が存在していた時代には、周囲にもたれかかって生きるような人間ももっと許容されていたはずなのだ。だから、極端な言い方をすれば、全ての若者に「自立」を強要するのは過酷なことだと言えるのだ。

(ここからはほとんど妄想だが)ニート対策にしても子育て支援にしても、なんらかの相互扶助的な共同体的システム作りもこれからの時代には必要になってくる気がする。場当たり的な対策では解決できなくなってくると思うから。
(masuokaさんのブログ http://masuokayousuke.blog38.fc2.com/ を読んで考えたことですが、これは現時点での僕の意見)


posted by muse at 16:30| Comment(6) | TrackBack(1) | 想い・日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お邪魔します。
ニートへの支援と言っても、そのニート自身が「自立したい」と思っていない以上助けることはできませんよね(T_T)ニートもこれから要因、現状、本人の意思によってさまざまなパターンに分類されていくのかな。全てニートと一語で言ってしまうのには納得がいきません。

子育てについては、もちろん地域にもよりますが、最近お母さん方で「うまくいかない話」「悩み」と言うのをあまりしないそうです。というよりさほど集まって子育ての話をしないそうです。「子育てのマニュアル本が読みたい、いい本はありませんか」と言われたこともあります。
アドバイスをするおじいさん、おばあさんの存在って大きかったのかもしれませんね。横のつながりも希薄で、前の世代のアドバイスも聞けないのはつらいと思います。最近のお母さん方は子育ての信念はあるけれど、自信がないと言う印象があります。自分がこれから数年先に子育てをすることになったときも苦しむのかもしれませんが(ーー;)
Posted by masuoka at 2006年01月03日 22:11
そうですね。「ニート」とひとまとめにしてしまうことで、とりあえずの「問題設定」はできているように見えちゃうんですが、実際にはそんなに単純ではないでしょうからね。
子育てについては、地域によっては横のつながりを作ることにある程度成功しているところもあるという話を聞いています。もっともっとそういう活動を盛んにして、広く知ってもらう方向に持っていけたら良いんでしょうけれど。
Posted by muse at 2006年01月04日 14:12
遅れてしまいましたが、
トラックバックありがとうございます。
ニート問題、なかなか難しいですね。

ニートである彼らにも問題はありますが、
セーフティーネットが張られていること、
将来に対して希望が持てないなど、
社会構造から来る問題もあるのではと。

いずれにせよ、ニートが生まれないようにするのではなく、
ニートを生ませない社会を作っていくべきかな、とうちは思います。
Posted by つちこ at 2006年01月11日 15:26
つちこさん、どうもありがとうございます。そうなんですよね。「良い悪い」とか「好き嫌い」というのではなく、社会全体の構造や雰囲気と、個人個人の心の問題を慎重に扱っていく必要がありますね。
Posted by muse at 2006年01月11日 20:23
遅くなってしまいました。
トラックバックありがとうございます。
僕の学科では、ニートについての研究を行っている教授がいます。
その教授によれば、ニートの人は、働かないのではなく、働けないのだそうです。つまり、社会にうまく適応できず、働きたくても働けないでいる状態にある。ひきこもりにも似た状態なのだとか。なので、museさんのおっしゃる通り、ニートの人を怠け者とか、責任感のない若者と決めつけてしまうのは大きな間違い。また、現状の対策にも問題があると思います。
イギリスなどでは、社会保障によって、ニートの人が社会に復帰する手助けを、国が積極的に行なっているそう。日本は、「小さな政府」を目指して、社会福祉や社会保障の予算をどんどん削っているようですが、この方針はニート問題をさらに深刻にしていくように思えてなりません…。
Posted by シガ at 2006年01月16日 23:19
シガさん、どうもありがとうございます。少なくとも、「感情的な」議論をするのではなく、冷静に問題を見極めて対策を立てていく必要がありますよね。最近はどうも、「じっくり考える」のを避けて簡単に感情論に行ってしまう風潮が高まっているようですが。
Posted by muse at 2006年01月18日 14:06
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これってニート? それって悪い?
Excerpt: (これはすなふきんさんへのレス兼トラックバックです) すなふきんさんがコメント欄で問題提起をしてくださった。それへの答えにならなくても、ヒントになるものを記事として書いておく。 以前コメント欄で、..
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